キッチン水圧低下で気づいた家族の歴史

実家のキッチン、蛇口をひねるとチョロチョロとしか水が出ない。トイレつまりで排水口交換すると埼玉大宮区に漏水では以前から気にはなっていたが、「まあ、こんなものだろう」と特に気に留めていなかった。しかし、先日実家に帰った際、母が洗い物をしている姿を見て、改めて水圧の弱さに気づいた。 「お母さん、これ、ずっとこんなに水圧弱いの?」と聞くと、母は「そうよ。もう慣れちゃったけどね」と笑って答えた。 築40年以上の実家。私が物心ついた頃から、このキッチンはあった。タイル張りの壁、年季の入った流し台、そして、水圧の弱い蛇口。どれも私にとっては、懐かしい風景の一部だ。 しかし、改めて考えてみると、水圧の弱さは、単なる設備の老朽化だけでなく、家族の歴史そのものを物語っているのかもしれない。 高度経済成長期に建てられた実家。当時は、水道管の材質や設計技術も今ほど発達していなかっただろう。また、節水という概念も、まだ一般的ではなかったかもしれない。 水圧が弱いということは、つまり、蛇口から出る水の量が少ないということだ。当時の人々は、少ない水で、効率的に洗い物をしたり、料理をしたりする必要があった。 母は、そんな時代に育ち、少ない水で工夫しながら家事をこなしてきたのだろう。無駄な水を流さない、物を大切にする、そんな価値観が、水圧の弱い蛇口を通して、私に伝わってくるような気がした。 今の時代、私たちは、蛇口をひねれば、いつでも大量の水を使うことができる。節水意識は高まっているものの、昔の人々に比べれば、水のありがたみを忘れているかもしれない。 キッチンの水圧が弱いという、ささやかな出来事から、家族の歴史や、水のありがたみを改めて感じることができた。 実家の蛇口は、近いうちに交換することになった。新しい蛇口は、節水性能も高く、水圧も十分だ。母も喜んでくれるだろう。 しかし、新しい蛇口になっても、実家のキッチンには、水圧が弱かった頃の記憶が、しっかりと刻まれているはずだ。そして、その記憶は、私たち家族の歴史とともに、未来へと受け継がれていくのだろう。

投稿者 m5JLShfXBoRj