2025年10月
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分け目が目立つ私の三ヶ月間の奮闘記
ふと合わせ鏡で自分の頭頂部を見た時の衝撃は、今でも忘れられません。いつもと同じ分け目のはずなのに、そこだけスポットライトが当たったかのように地肌が白く見えたのです。「気のせいだ」と自分に言い聞かせましたが、それからというもの、電車で座っている時やエスカレーターに乗っている時、常に頭上からの視線が気になって仕方がありませんでした。帽子が手放せなくなり、友人との食事の誘いも断りがちになりました。このままではいけない。そう決心した私は、まず自分の生活を見直すことから始めました。振り返れば、仕事の忙しさを理由に食事はコンビニ弁当が続き、寝る時間も不規則でした。そこで、髪に良いとされるタンパク質や亜鉛を意識した食事を自炊することに。納豆や豆腐、レバーなどを積極的にメニューに取り入れ、夜は日付が変わる前にはベッドに入るよう努めました。そして、毎晩のお風呂の時間には、頭皮マッサージを欠かさず行いました。最初は面倒に感じたものの、凝り固まった頭皮が少しずつ柔らかくなっていく感覚が心地よく、次第に一日の疲れをリセットする大切な習慣になっていきました。すぐに効果が出るわけではないと分かっていても、鏡を見るたびに一喜一憂する日々。しかし、三ヶ月が経った頃、美容院で担当の方から「あれ、何か髪の根元がしっかりしてきましたね」と言われたのです。その一言が、私のこれまでの努力をすべて肯定してくれたように感じ、涙が出そうになりました。まだ完全な自信を取り戻したわけではありません。でも、自分の手で未来を変えられるかもしれないという希望が、私を前向きにしてくれています。この小さな一歩を、これからも大切に歩んでいこうと思います。